TPP問題に言及する宮川講師 |
シャンデリア風の照明もあり、いつもより会場の雰囲気がレベルアップしたことが写真でも感じられます。
前回の講義で、「TPP問題」と「相対的剰余価値」との関連に言及したことについて、参加者から感想が寄せられました。
講義に先立ち宮川講師は、その感想について、「『資本論』を現代日本の国論を分かつ焦眉の課題にしっかり結びつけて理解されたことは、著者マルクスへの何よりのオマージュ(称賛・報い)です。講師としても嬉しいです」と述べられました。
参加者感想の一部を紹介させていただくと、
「(前略)私は以前、第三部の講義を受けた時、反穀物法同盟の主張が、現代の日本のTPP導入の理屈と似ていることが、今日まで気になっていました。
つまり、当時の大土地所有者(地主)や貴族層の利益を守るために穀物法によって小麦の輸入が禁止されて困るのは、安いパンが手に入らなくなり賃上げを要求する労働者を抱えるゴブデンやブライトらの紡績ブルジュアジー。
対立構図としては、現代のTPP推進勢力は例外なき関税撤廃ですから、穀物法廃止を求める紡績ブルジュアジーと同じ立場に立ち、それに対してTPP反対のJAなど日本の農業団体と19世紀初頭のイギリスの地主や貴族が同じ立場に立っていることになります。(中略)
今日の講義では、当時と今日の、それぞれの階級的立場は違うとしても、経済的には商品(穀物、つまり小麦、つまりパン)の価格を安くするための関税撤廃論の論拠は、資本の相対的剰余価値増産の本性にあると喝破されました。つまり、生活必需品の価格の低下、労働力の価格の低下、必要労働時間の大きさの低下、この三位一体に規程されて貫かれる価値法則の位置づけだと思います。」
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