浦和コムナーレでの上映会 |
「映画と講演のつどい『原爆から原発』」の最終日、1953年制作のまぼろしの映画「ひろしま」を観ました。
広島県生まれで宝塚歌劇団出身の主演女優・月丘夢路は、他の映画会社への出演が許されなかった時代、微力でも平和につながる作品に出たいと出演を決めたそうです。
先日亡くなった山田五十鈴も母親役で、他には岡田英次、加藤嘉が出演しています。
被爆者である肥田舜太郎医師は、以下のメッセージを寄せています。
「この映画は原爆投下後の廣島を描いた数々の映画の中で、一番事実に近く迫真性に飛んだ映画です。
この地獄の中を目に見えない放射能が生き残った被爆者のからだと心を内部被曝でゆっくり蝕んでいきました。アメリカ占領軍と日本政府とによって隠されてきた、その内部被曝は、今日、福島の人たちと関東平野の住人をまたまた蝕み始めています。
原子力発電所は核兵器とともに一つ残らず廃棄し、廃止しなければなりません。」
この映画の監督補であった小林大平氏の息子である小林一平氏は上映後の講演で、「この映画は、当時の廣島の熱と匂いがないだけで、当時そのままだった」と肥田舜太郎医師のコメントを紹介されていました。
現在、映画「ひろしま」のプリントは2本(近代美術館フィルムセンターと広島市の所蔵)しかなく、私たちが見たのはDVDでした。
35mmフィルムの復元作業を行い、ニューフィルムで上映するためのカンパ活動を、小林氏が代表を務める「奇跡への情熱プロジェクト」がすすめています。
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