夏の電力不足をマスメディアがこぞって報道していますが、最もひっぱくしているとされる関西電力が、原発の夜の余剰電力を利用するオール電化住宅の販売をなお促進しており、昨年度は7万戸増加したという記事が毎日新聞のトップを飾っていました。
協同研では、昨年の7月肥田舜太郎さん(被ばく者・医師)を招き、「内部被ばくのしくみと脅威」の緊急学習会を開催しました。
残念ながら私は参加できなかったのですが、その報告書によると、アメリカは戦後一貫して軍事機密の名目で、被ばくの実相、内部被ばくをひた隠しに隠し、日本国内の情報を統制してきました。
自国でも内部被ばくについての研究を弾圧し、関連する出版物は原発の電力資本、政府、空軍の3者が買い占めて、一般の人々の手に渡らないというのです。
ボストンの開業医師で、被ばく米兵を診察してきた医師が出した「放射線の被害を受けた人間の病気の診方」がそれです。
最近私が入手した肥田先生の小冊子、「核兵器と環境汚染」をご紹介します。
これは2002年6月、東洋大学工学部の杉浦公昭准教授が、「核兵器と環境汚染」と題した環境科学特別講義を、肥田舜太郎さんに依頼した時の講話をまとめたものです。
その中で肥田さんは、核戦争はもちろん最大の環境破壊であるが、核兵器をつくる時の被害として、①ウラン鉱山での被害、②ウラニウム精製工場、原爆工場での被害、③核実験の被害、④廃棄物処理場と劣化ウラン弾の被害に言及されています。
もう一つ目を引いたのは、アメリカ婦人の乳がん発生増加率を世界一にした環境破壊は何だったのかという話です。
アメリカの乳がん発生率は1945年から1995年の50年間に全国平均が2倍になっています。
国立がん研究所の乳がん統計を元にジェイ・エム・グールドという統計学者が導き出したその原因は、原子炉からの距離でした。
原子炉から100マイル以内の郡は乳がんが増加して、100マイル以遠は横ばいか減少していると。
その結果を「二つの敵」という本にして出版したところ、全国の書店に出た途端、全部買い占められたというエピソードが紹介されていました。
ちなみに肥田先生はこの本を翻訳されて手製で同好の士に配布されたそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿