のんちゃんも登場して、北海道慰安旅行のお土産話を聞きました。
百戦錬磨のおばさん達、失礼!セールスレディの中で、営業成績を上げて表彰されるなんてやりますね!
のんちゃん、どんな家庭を築くのでしょうか。
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おまえと母さんの道
滝いく子
と、大きな声で叫んで
わざと肩を張るようにして保育室に消えたおまえの
こころのどこにも淋しい穴がないなどと
母さんには 思えない。
泣きじゃくりつつ
あきらめの睫毛をふるわせて
けれど にぎりしめたスカートの裾を
なかなか離すことのできなかった
おまえの小さな掌のちからを
もう何年も 母さんは忘れない。
電話よ 鳴りませんように
けがや病気や孤独や不安が
おまえを苦しめていると知らせる電話よ
どうぞ 今日も 鳴らないように。
女だから 子どもがいるから
仕事が中途はんぱだなどとは
いわせない
そのためにおまえは健気に肩をはり
母さんは胸ふかく祈りを刻みながら
明るくソロバンをはじきペンをとる
電話よ 今日も 鳴らないように。
わかってくれるよねぇ おまえ
いつも走っている 母さんのこころ
仕事が遅れて残業にならないように
待ちつかれてうずくまる
ひとりぼっちのお残りさんにならないように
夕暮れの電車のきしみももどかしく
保育所の閉じかけた扉を押し開けるのを。
おまえが笑って母さんの手を握るのが嬉しい
疲れきって保母さんが
それでもやさしく送り出してくれるのが嬉しい
けれど日が暮れて こうやって手をつなげば
おまえのこころの穴は埋まるだろうか
走りつかれ まもりつかれた
母さんや 保母さんの
こころの穴は 埋まるだろうか
ねえ おまえ
保母さんにお休みの時間をあげたいね
たくさんの保育所のたくさんの保母さんに
交代で元気に働いてもらえるように。
母さんが馬のように走らずに暮らせるように。
気がねと心配のない仕事ぶりで
働く母さんをみんなに知ってもらえるように。
夕暮れの道をこうやって
話しかけたり 考えたりして帰っていく。
たくさんの母さんたちがせかせかと
疲れた肩をすぼめながら
申し訳けなさそうに頭を下げて通った道を
どの母さんも のびのび笑って通れるならば
ほんとうに穴は埋まるだろうと
やさしく指を絡ませながら
今日もこうして帰っていく。
おまえと母さんの
この道を。
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