昨日の毎日新聞の朝刊に、「市民報告書に見る 『積み増し問題』 沖縄密約開示訴訟・29日控訴審判決」
という記事が掲載されました。
29日に判決が言い渡される東京高裁に、今春「市民による沖縄密約調査報告書」が提出されているのです。
記事は、政府がアメリカの要求をのんで2000万ドルを積み増しした経緯を、専門家による報告書が浮き彫り
にしているとし、その報告書をまとめた原告調査団の代表・澤地久枝さんも紹介しています。
2年前、山崎豊子の「運命の人」 重たい単行本4冊を買い込み夢中で読みふけりました。
この本の題材は、1972年の「外務省機密漏洩事件」です。
主人公の毎日新聞社・西山太一記者が、沖縄返還にからみ日米間で取り交わされた密約を糾弾したことで
逮捕され、「取材方法のモラルを欠いた」という事件の本筋ではなく、最高裁で有罪が確定した事件です。
山崎豊子自身も若い頃は毎日新聞社に勤めており、西山記者や担当の大野弁護士からの取材をもとに
書きあげた大作です。
単行本発行から2年で文庫本になっているのは、作者本人が 「より多くの人に読んでほしい」 と働きかけた
結果と言います。
まさに、私が「運命の人」を友人Kさんに貸している最中、元アメリカ局長が密約の存在を認め、この著書が
歴史の歯車の1つとして動き出した感があり、興奮したことを思い出します。
続いて「沖縄密約開示訴訟」の第一審では全面勝訴、西山記者でなくともほほをつねりたくなります。
29日の控訴審の行方を見極めたいと思います。
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