ボストン美術館展カタログ |
山種美術館で開催された「ボストン美術館 浮世絵名品展」では、カタログが完売で予約をしていましたが、やっと昨日到着しました。
今回の展覧会では、錦絵の黄金時代(1781~1801年)に登場した
清長、歌麿、写楽の三大絵師を中心に版画、肉筆画、版本144点が展示されていました。
カタログによると、日本初公開となるこれらの作品は、保存状態が良いものを厳選したとのことで、会場で色彩が本当に素晴らしいと感じたことに納得しました。
アメリカ建国100周年の1876年に開館したボストン美術館は、世界各国の美術品45万点が収蔵されているそうです。
日本美術のコレクションの中心は、版画5万点、肉筆画700点、版本数千点という膨大なものです。
日本の美術品が母国ではなく、海を渡って米国でコレクションされている現実に、少々さびしさを覚えます。
ところで今回の展覧会の音声ガイドを担当している、歌舞伎役者であり、浮世絵のコレクターでもある市川亀治郎が、
あるテレビ番組で、東洲斎写楽の役者絵について面白いコメントをしていました。
「写楽の作品は、他の絵師と異なり、歌舞伎の女形が男であることを意識して描かれている。」
「役者としては女として美しく描いて欲しいのが心情。」
「男であることを意識させられる写楽の絵は、役者としては一歩引いてしまう。」と言うのです。
なるほと、当事者としては複雑なものがあるのだと興味深く聞きました。
浮世絵との出会いが、高祖父の初代市川猿之助の役者絵が発端というのも歌舞伎の歴史を感じさせます。
浮世絵は、大昔(日生協に入る前後くらい)に銀座にリッカー美術館というのがあってよく行きました。
返信削除どうなったかと、調べてみたら平木浮世絵美術館となっているそうです。ホームページを見るとサイトが貧弱でちょっと寂しい。このホームページでは「行ってみようか!」という意欲がそそられない。
リッカーってミシンの会社だったんだよね。今の若者は誰も知らないブランドだけど、我々世代には懐かしい名称。